相続放棄と相続の順位

今回は相続放棄と相続の順位についてご説明いたします。

 

お亡くなりなったご親族(被相続人)の相続人は次の順序となります。

※ 配偶者は常に相続人です。

① 子又は代襲相続人(被相続人が亡くなる前に子が亡くなった場合の孫など)

② 直系尊属(両親や祖父母など 被相続人から近い順に相続人となります)

③ 被相続人の兄弟姉妹又は代襲相続人(被相続人が亡くなる前に兄弟姉妹が亡くなった場合の兄弟姉妹の子(被相続人からみれば甥や姪など))

 

さて、亡くなられた被相続人がご兄弟の場合で、あなたは相続したくないというとき、どうすればいいでしょうか。

あなたは③の被相続人の兄弟姉妹です。

したがって、①子又は代襲相続人も②直系尊属も相続放棄を行った場合は、あなたも相続放棄するべきということになります。

 

では、この場合にあなたが相続放棄ができる期間はいつまででしょうか。

本コラムの別記事でも紹介されていますが、

「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に」

相続放棄の申述をする必要があります(民法915条1項)。

したがって、一部の例外を除いて、自己の直近の先順位の方が相続放棄の申述をしたことを知ったときから三箇月以内に相続放棄の申述をする必要があります。

※ 被相続人に①子又は代襲相続人も②直系尊属もいらっしゃらない場合は、被相続人の死亡を知ったときから三箇月以内に相続放棄の申述をする必要があります。

 

私が今まで対応したご依頼者の中でもご兄弟がお亡くなりになったことをご親族からの通知で知った後、ご相談いただき、相続放棄申述受理に至ったケースもございます。

特に、兄弟姉妹の相続放棄のような場合には、相続放棄を行うために必要な戸籍等の資料も多くなりがちであるため、弁護士に相談されることをおすすめいたします。

弁護士 松井立平

2020.05.08松井立平